3/6 太陽光パネルリサイクル工場の見学会に参加して@近畿電電輸送株式会社

この見学会の詳細は、先にきょうとグリーンファンド会員の大浦様が書いてくださっているので、私は、感想を少し書かせていただきます。

私は、自分でもできるかもしれない地球温暖化対策の一つとして自宅への太陽光パネルの設置を考えてきました。しかし身近な一人から「太陽光パネルゴミとして埋め立てられている」とか「ネットではリスクもたくさん書いている」などのネガティブな意見を言われ、良く調べて納得して設置しようと思っていました。そこで見学会に参加させていただいたのですが、次の三つの点で心揺さぶられました。
一つ目は、太陽光パネルリユースリサイクルの事業化の現場を見学し、太陽光パネル廃棄問題の解決が現実的になってきているということを知ることが出来たことです。「リユース検査」用として持ち込まれたパネルでリユースできない状態のものは約1から2%であること、また「リサイクル」用として持ち込まれたパネルに使用されている資源の99%金属資源二次製品(発砲ガラス)としてリサイクルできるとの事で、資源の循環が可能であることを知りました。240306144956718~2_s.jpg
二つ目は、リサイクル工程でできる二次製品の「発砲ガラス」はなんと水質・土壌の改善防草対策等様々な土壌改良に役に立つだろうということです。ちょうど土壌の再生のためには土壌団粒化が重要との情報に接したばかりだったので、発泡ガラスが団粒の役割を果たすのかもしれないと思ったのでした。今はまだ発泡ガラス高価で土壌改良剤として販売するのは難しいとのことですが、一日も早くリサイクル資源が地球環境保全に役立つという好循環が生まれることを願っています。240306142604006~2_s.jpg
三つめは、「この工場(見学した工場の事)の屋根に『おひさま発電所』を作ったら良いのに!」という意見を聞いたことです。この工場の稼働動力はすべて電気で賄われているそうですが、太陽光パネルはまだ設置していないとのことでした。地球温暖化に貢献されている工場であるから尚更との思いもありますが、常にいろんな機会を通じて再生可能エネルギーの導入方法を考えていくという姿勢はとても重要で素晴らしいと思いました。
地球温暖化への対応は待ったなしの状況にあるにもかかわらず、日々報道される殺戮と環境破壊の情報を見ると心が痛んでなりません。新しい技術が本当に環境保全に役立つものか誠実にあらゆる検証がなされ、有効なものは広く活用されることを願っています。貴重な見学会を企画してくださった事に感謝申し上げます。
                          見学者 hisa
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3/6 太陽光パネルリサイクル工場見学会@近畿電電輸送株式会社

3月6日(水)に近畿電電輸送株式会社さんのソーラーパネル・リサイクル工場見学に行ってきました。見学会の参加者20名ほどで、リサイクルへの関心の高さがうかがわれますね。
京阪石清水八幡宮駅からバスで20分ほど南下した工業地域にリサイクル工場はありました。もともとは電柱リサイクルを手掛けられていたということで、敷地内には沢山の電柱も集められています。ただ、近年は電柱自体が減っていることもあり、ソーラーパネルリユースリサイクルも始められているということでした。
同じ敷地内にリユース工程リサイクル工程があるので、二班に分かれてそれぞれを見学します。ちなみに「リユース」はソーラーパネルをソーラーパネルとして再利用することで、「リサイクル」はソーラーパネルをソーラーパネル以外の製品に生まれ変わらせて再生利用することを意味します。例えば風水害や雪害を受けたソーラーパネルのうち、まだ使えそうなパネルがリユースに、使うのが難しそうなパネルがリサイクルに回されてくるようです。
リユースの工程はパネルがちゃんと使えるかどうかを確認する検品が中心になります。最初は漏電検査です。ソーラーパネルにつけた状態で1000V電圧をかけ、漏電しないか検査するそうです。なかなか怖いですね。高圧のため必ずゴム手袋を着用するよう、張り紙がされていました。この検査で漏電が見つかったパネルは使えないのでリサイクル工程に回されます。
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漏電検査が終わると、綺麗に洗浄して乾燥されたあと、発電検査になります。実際に光を当ててどの程度発電する能力が残っているかを検査します。さらに、レントゲンのような装置で透視検査。パネル内部の配線がどの程度正常かが検査されます。見本の写真にはほぼ綺麗なパネルや、セル(内部回路)が破損しているパネルが示されていました。下の写真では2割ほどのセル破損していますね。
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これらの情報はリユース品販売会社に伝えられて、どの程度の値段で再販売するかを決めるのに使われます。破損部分が多くて使えないパネルリサイクル工程に回されることになります。歩留まりはケースバイケースだそうですが、敷地内には再利用されるソーラーパネル数千枚山積みされていました。少なからぬソーラーパネルが再び文字通り日の目を見ることができるのは嬉しいですね。
見学後半はリサイクル工程です。こちらはソーラーパネルとして再利用するのが難しいパネルが、第二の人生に向けて歩み始める工程になります。
写真の「ReSola」という機械がリサイクルのためにソーラーパネル分解する装置です。パネルの裏側にある配線ボックス手動で取り外したあと、パネルの外側アルミ枠をこの機械で取り外します。ローラーでパネルが運び込まれると自動でアルミ枠の部分を検出して、ハンガーのように見える大きな爪でバリバリと引きはがすのだそうです。取り外されたアルミ枠有価物として引き取られて再生利用されることになります。
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次の写真が、アルミ枠が取り外されたパネルの表面の保護ガラスをはぎ取る装置です。ローラーを使ってガリガリはがしていきます。
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動いているところが見られるとよかったのですが、この日は残念ながら調子が悪くてお休み中ということでした。ローラーの間2往復半する間に90%ガラスがはぎ取られるそうです。それ以上はぎ取ろうとするとガラスに不純物が混じるので、これぐらいでやめているということでした。はぎ取られたガラス発泡ガラスなどに加工されて土壌改良剤脱臭剤として使われるそうです。下の写真が発泡ガラスですが、中に空気を含んでいて持ってみるとびっくりするほど軽かったです。発泡スチロールみたいな軽さでした。これを土に混ぜると保水作用があり、根の伸びるスペースも確保されて土壌改良する効果は大きそうです。長い年月のうちに発泡ガラスは土に戻るので、その点も安心です。ただ、現状では高価(1㎥あたり数万円!)なので土壌改良剤として販売するのは難しく、多くは飲食店汚水脱臭剤として使われているということでした。このあたりの使い道が課題ですね。
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アルミ枠保護ガラスをはがされた残りがバックシートと呼ばれる部分になります。これがソーラーパネルだったときに発電を行う心臓部分なのですが、実物は写真のようにペラペラのシートでちょっと意外でした。
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この状態では内部の配線は壊れているのでが当たっても発電することはできません。ただし、2010年頃までに作られたソーラーパネルでは、バックシート内にが使われているので、精錬所で溶かして分離するとインゴッドが作れるのだそうです。あと内部の配線にも使われているので、こちらも再生利用が可能です。というわけで、このバックシートはある程度の量が集まると精錬所に引き取られていくのでした。
このように、ソーラーパネルとして再利用が難しいパネルはアルミガラスの原料として新しい人生を歩んでいくことになります。これらは有価物として、それぞれの素材を扱う企業に引き取られるのですが、その対価はそれほど大きなものではないようです。そこで、近畿電電輸送株式会社さんではソーラーパネル1枚あたり3000円の手数料を頂いて、リサイクル作業を引き受けているということでした。「大きくても小さくても1枚3000円!」という分かりやすい価格設定にしているそうです。確かにそれだと覚えやすいですね。この手数料は主に人件費とReSolaの運転費および減価償却に充てられます。
使えなくなったソーラーパネルを1枚3000円の手数料でリサイクルに委託する事業者がどの程度あるのか気になるところですが、廃パネルリサイクルに出さない場合は産業廃棄物として埋め立て処分することになります。この場合、有害物質を出さないように管理する管理型処分場に埋め立てる必要があるので、処分の費用は1枚3000円を超えることが多いということでした。そういう事情だと1枚3000円の手数料でも需要がありそうです。
せっかくのソーラーパネルを埋めてしまうのはもったいないですし、産廃の処分場不足にも拍車をかけてしまいますので、リサイクルして再生利用できるのはとても有意義ですね。2022年の日本の太陽光発電発電能力は78800メガワットで世界3位となっています(EI統計)。1メガワットは100Wパネル1万枚に当たりますので、ざっくり8億枚ほどのソーラーパネル日本に設置されている計算になります。寿命が数十年としても、やがては1千万枚以上のパネルが廃棄されるようになることでしょう。現在、近畿電電輸送株式会社さんをはじめ2社が関西で、6社が関東ソーラーパネルリサイクルを始めているそうですが、大量廃棄の時代に備えてリサイクル技術の開発やリサイクル品の販路開拓が大事になってきそうです。
今回は先駆的な試みを始められている企業のお話を伺えて大変興味深かったです。近畿電電輸送株式会社社員さんには大変分かりやすく説明をしていただきありがとうございました。今後のご発展をお祈りしています!

                 きょうとグリーンファンド会員 大浦
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